研究概要 |
本研究では、大規模コンデンサーバンク(1.6x30μF,150kJ)を用いたメガアンペアにおよぶ放電電流により超高エネルギー状態プラズマを発生し、その挙動と軟X線発生との関係を調べた。 主な成果は以下のようである。(1)高Zガスを使用すると良好なピンチが得られない。筆者らは水素を封入して放電を行ないそのピンチに先立ち高Zガス(たとえばアルゴン)をパフすることで、良好なピンチのために必要な放電初期のプラズマ挙動とピンチ段階のそれとをデカップルすることで高Zガス使用時にも良好なピンチを得ることを可能とした。(2)軟X線領域の、波長を特定するとともに単色像の撮影を可能とするブラッグ分光システムを開発した。入手が容易で取り扱いが簡単な通常のフィルム(たとえばコダックTRI-Xを用いた)について黒化度と軟X線強度との関係を導き、簡便な記録の方法を考案した。(3)軟X線ピンホールカメラを用いた、パルス軟X線源の絶対強度の簡単な2元的測定を可能とした。これにより軟X線像を相対的な強度分布としてではなく、エネルギーごとのフォトン数として計測することにより高エネルギー密度状態プラズマの軟X線を通した評価が可能となった。(4)ガス・パフをともなうプラズマフォーカス装置では電子密度10^<21>/cm^3,電子温度数keVのプラズマが得られ、水素様、ヘリウム様イオンによる高強度の軟X線(アルゴンK linesのZ方向でみたshot当たり10^9photons/mm^3(mrad)^2×0.01%BW shotが発生していることが判明した。
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