1 これまで開発した3次元平衡コードHINTを用いていくつかの新しい配位で平衡解析を行い、磁気島のself-healing現象が不安定なプラズマ配位でも起こり得ること、従ってプラズマ電流のグローバルな効果が磁気島生成の物理機構として重要であること、さらに非共鳴不安定性の励起が3次元平衡解の構造に大きな影響を与えることがあるという興味深い現象を見いだした。 2 圧力駆動型不安定性が誘起するプラズマ自己組織化、緩和現象というものが果たして存在するかどうかを調べることを基本的な動機として、圧力駆動型不安定性が最も純粋な形で現れ易い無電流非軸対称トーラスプラズマのための新しい非線形シミュレーションコードを開発する事に成功した。このコードは完全3次元配位の幾何形状において完全磁気流体方程式系の時間発展を解くことを特色としており、このようなシミュレーションは世界に先駆けるものである。開発したコードを用いてシミュレーションを実行した結果、不安定性の成長の初期段階においては線形解析の予言とよく一致すること、しかし成長の発展と共に強いモード間結合が発生して極めて非線形性の強い乱れた状態となり、さらにプラズマ圧力分布の平坦化が引き起こされて自発的に安定した状態に遷移していくという興味深い結果が得られた。 3 これらのコードで使用しているアルゴリズムの並列計算機との整合性を調べ、近接作用という物理原理をそのまま保った定式化を行っている部分については並列処理が有効であることが分かった。開発した大規模なシミュレーションコードを並列計算機上で実際に実行し、効率よく演算器を使用するするための方法をいくつか見いだした。その結果、計算時間は3〜4培に高速化した。
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