研究概要 |
1.散乱X線と直接X線のスペクトルの分離測定を継続して行っている。散乱X線の比率を減少させるのに二つの方法がある。 (1)エアギャップ法については、管電圧70kV,被写体厚10-20cm,照射野直径5-30cmについて、基礎データを取得した。 (2)グリッド法については、スペクトルの分離測定法を確立させて、管電圧70kV,75kV,被写体厚10-20cm,照射野直径5-30cmについて、基礎データを取得した。 2.X線の画質の一つの要因である粒状について、Rossmannの三つの要因に分析した結果、以下のことを見出した。 (1)低感度増感紙・フィルム系では増感紙構造モトルが主となり、管電圧依存性が少ない。 (2)高感度増感紙・フィルム系では、低濃度で量子モトルが多くなる。管電圧依存性が少ない。 (3)フィルムのクロスオーバー効果があるときの分離方法を提案し、管電圧依存性を求めた。 3.散乱線含有率をパラメータにとって、画像のコントラストと被曝線量の関係を表示するグラフを提案し、エアギャップ法とグリッド法を用いたときの、使い方の例を示した。頭部の中央のトルコ鞍の臨床写真に応用した例を示した。 4.低コントラスト被写体を撮影するときの、最適撮影条件を、蛍光量減弱曲線とフィルム特性曲線から求める方法を示し、例をあげた。
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