研究概要 |
1次元基礎輸送方程式(d^2phi/dx^2-Rdphi/dx-Pphi+Q=0)の係数R,Pが定数で、かつ外部ソース項Qが空間座標xの多項式か指数関数、又は両者の混在式で表される場合に、その解析解を導出し、然る後に局所差分点でその解析解を満足するように対流項に対する差分式を決定することによって、局所解法に基づく新しい高次差分法(LENSスキーム)を開発した。 まず、この新しい差分法に対し、研究代表者が先に提案している特性多項式解析法に基づく数値振動解析を実施した結果、LENSスキームの特性根は、内部ソース項Pの正負に拘らず全てのメッシュレイノルズ数に対して、実数かつ非負であり、従って安定な解を与えることが明かとなった。 次にこの新しい差分式を用いて上記基礎輸送方程式を解くプログラムを作成し、従来の高次差分式(2次中心差分、QUICK差分、LECUSSO差分)を用いて得られた数値解との比較を行った結果、本差分式のみが高Re数においても全く数値振動を発生せず、かつ最も解析解に近い解を与えており、本差分法の有効性乃至他の高次差分法に対する優位性が確認された。
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