1969年から2-5年おきに採取された食事の凍結試料と過去20年間に渡って経年的に採取された血清試料の分析に着手した。血清試料について凍結乾燥処理を終了し、自由水^3Hの測定を行っている。食品試料は凍結乾燥処理を急いでいるが、1試料の重量が大きいため、完了していない。 データは揃っていないが、フォールアウト^3Hの環境から人体への簡単な移行モデルを作り、現在、提唱されている人体内代謝モデルを適用を試みた。代謝モデルのパラメーターの妥当性確認のため、フォールアウト^3Hのデータが用いられる場合がある。この際、人体中の^3Hがその時点の食品中^3Hと平衡であると仮定されるのが一般的である。しかし、平均滞留時間が長いコンパートメントを持つモデルではその時点の食品と直ちに平衡になると考えることには無理があり、実は環境移行モデルが必要である。簡単な移行モデルを作って、平衡仮定の場合と比較したところ、大きな差が認められるモデルもあり、移行モデルの確立の重要性が確認された。
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