昨年度に引き続いて、冷凍保存されていた1969‐1980年の血液試料、および食事試料の分析を進めた。自由水^3Hについてはほぼ、分析を完了した。その結果、これまで、まったく知られていなかったこの年代についてのデータが得られた。食事試料中自由水^3H濃度については、これまでも簡単なモデルを構築して1950年代からの変遷を予測していたが、その結果より概ね高い実測値が得られている。今回のデータを基にモデルのパラメーターを修正した。この修正により、降水中の^3H濃度から食事中の^3H濃度の推定値の正確度を上げることができた。 注目されるのは有機結合型^3H濃度であるが、これまでのところ分析は余り進展していない。予備的な結果によれば外国で測定されているような有機結合型^3Hへの大きな見かけの濃縮は見られない。今後とも、分析を継続し、有機結合型^3Hの環境人体移行モデルを構築していきたい。
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