本年度の研究実績の概要は下記の通りである。 1.固体レーザー媒質の分光学的特性の比較評論 Nd:ガラスとYb:ガラスの分光学的特性を比較し、Yb:ガラスは1.7msの長蛍光寿命を有し、その励起LD波長は975nmであったことが明らかとなった。 2.2次元半導体レーザーアレイによる高出力化評価 波長808nm Al Ga Asレーザーアレイの出力光を9枚のレンズ系により3kw/cm^2まで集光した。また、冷却方式を改善し、複屈折の2次元分布を均一化することに成功した。 3.再生増幅方式による抽出効率改善の評価 再生増幅器内の損失を8%とし、小信号利得を3.2と高くして、世界最大のエネルギー抽出効率48%を達成した。そして、この抽出効率は理論値と良く一致することが明らかになった。 4.半導体レーザー励起方式による励起効率改善の評価 総合効率10%以上のドライバーを実現するために、熱複屈折に関する問題点を実験的に明らかにした。 5.10MJ出力で10Hzの高繰り返し化の評価 10MJ出力、効率10%、繰り返し10Hzのドライバー設計を行い、COE=7.9円/kWhが可能であることが明らかとなった。
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