研究課題/領域番号 |
05680440
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白澤 邦男 北海道大学, 低温科学研究所・附属流氷研究施設, 助手 (50196622)
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研究分担者 |
田口 哲 北海道区水産研究所, 海洋環境部, 室長
青田 昌秋 北海道大学, 低温科学研究所・附属流氷研究施設, 教授 (40001664)
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キーワード | 海氷 / 生態系 / オホーツク海 / 水縁域 / 物質フラックス / 大気-海氷-海洋相互作用 / 運動量フラックス / 熱フラックス |
研究概要 |
海水が凍結して出来た海氷が海面を覆うと、海と大気との接触が断たれ、大気海洋間の熱・運動量・物質輸送交換は海氷を通して行なわれる。この海氷生成による海洋環境の変動は海洋生物相に如何に影響を及ぼしているのだろうか。海氷生成による生物相の適応条件は何か。また、海氷生成、融解により、物質循環はどのように行なわれるのか。本研究では、典型的な季節海氷域であるオホーツク海の氷縁海域に当たる北海道沿岸と、汽水湖であるサロマ湖をモデル海域として、海氷生態系のモデル構築のために、海氷生成から融解までのエネルギー輸送過程とそれに伴う生物生産過程の変動、物質循環過程を明らかにすることを目的に、次の観測を行なった: 1.沿岸定着氷域、氷縁海での観測:1994年冬期1月から3月に氷海域気象・海象観測システム周辺の結氷海域において、結氷期から融解期までの大気-海洋(海氷)面の熱、運動量等のエネルギー・フラックスや、日射量の連続観測を行なった。同時に、流氷レーダにより沿岸海域およびタワー周辺の流氷状況および分布の観測を行なった。また、随時沿岸水の採水を行ない、クロロフィルa等の分布を調べた。 2.モデル化した海域、サロマ湖での観測:1994年2月下旬から3月上旬にかけサロマ湖の海氷の下に3次元超音波流速計、高性能水温・塩分センサーを設置し、海氷の成長、融解過程における熱、運動量、塩フラックスの変動を測定した。同時にアイス・アルジーや動植物の分布の調査、また物質フラックスの日周や潮汐変動を調べるためにセジメント・トラップを設置した。更に、海氷の生長や積雪による日射の変動を調べるための測定も行なっている。 3.海氷の融解期(5月頃まで)までの測定を行うために、1.は全部、2.は一部測定を継続中である。
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