研究課題/領域番号 |
05680463
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東 照正 大阪大学, 医学部, 助教授 (80116087)
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研究分担者 |
佐川 節子 大阪大学, 医学部, 助手 (60187060)
河口 直正 大阪大学, 医学部, 助手 (70224748)
大西 俊造 大阪大学, 医学部, 教授 (00028367)
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キーワード | 定常磁場 / 磁気異方性 / 赤血球 / 血小板 / 生体膜 / ヘモグロビン / マイクロツブルス / 磁場配向 |
研究概要 |
赤血球は磁場方向に対して、その円盤面を平行に配向した。0.5テスラで既にその傾向がみられ、4〜6テスラでほぼ100%配向した。このとき、反磁性のoxyhemoglobinを含有する酸素化赤血球も、常磁性のdeoxyhemoglobinを含有する脱酸素化赤血球も、また、常磁性のmethemoglobinを含有する酸化型赤血球も、同じ磁場強度依存性を示した。このことから磁場配向は、細胞内のヘモグロビンではなく、おもに生体膜成分によるものと考えられた。文献的に得た生体膜のリン脂質とタンパク質の磁化率から見積もった、赤血球全体の異方的磁化率は、実験値△χ=8×10^<-22>emu/cellに近い値であった。 血小板もその円盤面を磁場に平行に配向した。配向率の実測データは反磁性物質の磁場配向の理論曲線によく合致し、血小板の異方的磁化率は△χ=12×10^<-22>emu/cellであった。やはり1T以下で既に配向を始め、3〜5Tのとき、磁場配向エネルギーは熱運動エネルギーの10〜20倍となり、血小板は完全に配向した。血小板は直径比で赤血球の1/5の大きさであるが、△χは赤血球よりも大きく、赤血球のように生体膜の脂質とタンパク質の反磁性のみでは説明がつかない。そこで、細胞骨格タンパク質のマイクロツブルスに着目して、その配向への寄与を見積もった。実験的に求めたその△χは4×10^<-23>emu/μmであった。血小板内での形状を考慮して計算したところ、細胞全体の実測値を説明できることが分かった。
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