研究課題/領域番号 |
05680471
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
遠山 千春 国立環境研究所, 環境健康部, 部長 (10150872)
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研究分担者 |
本間 志乃 国立環境研究所, 環境健康部, 科学技術特別研究員
下條 信弘 筑波大学, 社会医学系, 教授 (00080622)
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キーワード | 放射光蛍光X線分析 / 腎障害 / 重金属 / カドミウム / 水銀 / メタロチオネイン / in situ hybridization |
研究概要 |
カドミウム、水銀等の重金属による腎障害では、近位尿細管が糸球体や遠位尿細管よりも影響をこうむる傾向があることが認められてきた。しかし腎臓の細胞レベルにおいて、これら重金属の局在と尿細管障害等の毒性影響との関係、特に金属の毒性を修飾するタンパクや酵素がどのように関与しているかについてはほとんど知見がない。ミラーを用いた集光法により5×5μm^2程度のマイクロビームを用いた分析が可能となった。また、有害重金属等により誘導合成され、この金属を結合することにより毒性軽減機能を有するメタロチオネイン(MT)のmRNAの局在性を検出するための方法として、in situ hybridizationの確立を行った。in situ hybridizationと免疫組織化学との併用により、特定のタンパク質をコードする遺伝子が発現している部位とタンパク質が存在する部位との区別が可能となるからである。 今回はこれらの方法を用いて、無機水銀、カドミウム等の重金属を投与したラットの組織におけるを重金属の局在性、ならびにMTmRNAとMTタンパク質の局在性と検討した。その結果、水銀化合物を投与したネズミの腎臓組織切片上で、水銀等が糸球体にはほとんど無く、主として尿細管上皮細胞に存在することが確認された。また、in situ hybridizationにより、カドミウム投与ネズミの腎臓組織中では、遠位尿細管においてもMTタンパク質が誘導合成されることが判明し、近位尿細管のMTの一部は、糸球体を濾過されたMTが再吸収されて検出されていることが示唆された。
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