1)現在稼働中の5つのRDF生産施設について、(1)物質収支を搬入・搬出量などの実績をもとにまとめ、限られた測定データから各プロセスにおけるごみ組成を推定する手順を示した。(2)エネルギー分析を行ない、正味のエネルギー収率は3施設で正となり、RDF生産がエネルギー的に有効であることを示した。他の2施設も、稼働率の上昇、原料ごみの乾燥効率改善を行えば、収率は向上する。(3)コスト面では、10t/d程度の小規模施設で家庭系ごみがRDFを生産すると搬入ごみあたり3〜5万円/tであるが、事業系ごみを原料とする大規模施設ではスケールメリットにより2万円/tとなる。 2)RDF原料ごみの家庭における分別、施設における不適物の除去により、RDF中、燃焼灰中の重金属含有量はそれぞれ可燃ごみ、焼却灰より少なく、埋立処分基準を満たしている。燃焼排ガスはサイクロン設置で規制基準をクリアできる。 3)原料ごみの分別方法をモデル化し、可燃ごみ全量、厨芥排除、プラスチック排除の3つのシナリオについて、(1)物質収支を計算した。(2)揮発性塩素発生量を推定し、ボイラー腐食を避けるにはプラスチック混入を50%以下にすべきことを示した。(3)コストは施設の規模でほぼ決まり、原料による差は小さい。現在の販売価格では、商業ベースでエネルギー生産施設としては苦しく、ごみ処理システムとしては成立しうる。(4)プラスチックを排除すると、小規模施設ではエネルギー収率がゼロになってしまう。特に乾燥効率、原料の含水率を厳しい条件とすると収率の低下は大きく、原料としてはプラスチックを含め、塩素ガス対策を別に行なうのがよい。(5)原料ごみの分別方法、人口規模をパラメータとし、熱利用の可能性を検討した。
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