研究課題/領域番号 |
05680491
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
木村 晴保 高知大学, 農学部, 教授 (00145111)
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研究分担者 |
伴 道一 高知大学, 農学部, 助教授 (20198956)
宗景 志浩 高知大学, 農学部, 助教授 (50036745)
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キーワード | 潮汐ダム / 潮汐 / 貧酸素 / 溶存酸素 / 内湾 / 噴流 / 自然エネルギー / 環境改善 |
研究概要 |
平成6年度には高知県が浦ノ内湾に施工した模擬潮汐ダムを用いて、上記算定法の検証と噴流による湾底層環状改善効果、さらには実用化に向けての問題点について調査検討した。結果は次のとおりである。 (1)導水管水理算定法と噴流規模算定法は実用上十分な精度でもって算定できる。 (2)閉鎖性の強い浦ノ内湾でも湾の潮差は湾外潮差よりも大きく、潮差を利用する潮汐ダムは閉鎖性湾の環境改善法として極めて有効である。 (3)改善対称海域外からの湾底層海水の流入を遮断するならば、潮汐ダムによって、対象海域底層のDOは高まり、生物は多様化し、底泥有機物は分解されて、湾環境は改善されることが示唆された。 (4)貯水池には多くの生物が生息していて、貯水池はダム機能に加え、魚類の中間育成・蓄養の場としての活用が期待できる。 実用化に当たってはさらに噴流による底層環境改善効果の定量化、導水管付着生物対策、経済効果などの詰めが必要である。しかしながら潮汐ダムは潮汐という極めて安定した自然エネルギーを利用すること、また、湾の環境浄化以外にも観光、レジャーなど多様な利用が期待できる事から、実現の可能性は極めて高いものと判断される。
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