研究課題/領域番号 |
05680554
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小南 思郎 広島大学, 総合科学部, 教授 (10106776)
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研究分担者 |
榊 利之 住友化学, 宝塚総合研究所, 主任研究員
山崎 岳 広島大学, 総合科学部, 助手 (30192397)
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キーワード | チトクロムP-450 / P-450X VII A1 / 大量発現 / ステロイド代謝 / P-4501A1 / リポソーム / P-45011B1 / P-450(C21) |
研究概要 |
遺伝子の発現には酵母、癌化細胞などが用いられるが、大量発現には難点が多い。大量培養にふさわしい大腸菌をこの研究では発現系に用いることとした。すでに酵母でウシP-450X VII A1を発現する事が確認されているプラスミドpAα1からP-450X VII A1の遺伝子を切りだし、大腸菌で発現効率が高まるようN-末端25アミノ酸残基に相当する塩基配列を変換し、大腸菌発現ベクターに挿入し発現させることにした。 N-末端にサイレントミューテーションを導入したDNA断片をPCR法で作成しさらにプラスミドpUC18で増幅し、プラスミドpAα1から制限酵素EcoRIを用いて切りだしたP-450X VII A1の遺伝子に繋ぎプラスミドpCDに入れ大腸菌を形質転換することに成功した。しかしながらその発現量は酵素の精製には十分を言えず発現ベクターを検討中である。 平行して副腎皮質からP-450X VII A1を精製しリポソーム膜に組み込みその反応機構を研究してきた。プロゲステロンからアンドロステンジオンへの連続的水酸化反応は電子伝達速度で制御されており、また定常状態における代謝反応は酵素からの生成物の解離が律速段階になっていることを見い出した。電子伝達が速いときには生成物の酵素からの解離が反応の律速段階になることは、遺伝子の接続で作成したラット肝臓チトクロムP-4501A1とNADPH-チトクロムP-450還元酵素の融合酵素においても確認した。 P-45011B1の触媒するデオキシコルチコステロンからアルドステロンへの連続的水酸化反応においては中間体の解離が連続的反応の制御に大きな役割を果たしていることも発見している。また、膜結合型チトクロムP-450はかなりの部分が膜内に挿入されていることP-450(C21)を用いて実験的に示した。
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