研究課題/領域番号 |
05680582
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
後藤 司 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60136851)
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研究分担者 |
木島 博正 名古屋大学, 理学部, 教授 (30012397)
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キーワード | 視細胞 / 軟体動物光受容細胞 / 単一チャネル記録 / 光感受性のK^+チャネル / cGMP感受性のK^+チャネル / 細胞内光情報変換機構 |
研究概要 |
これまで、イソアワモチ光受容細胞の光受容器電位はcGMPによって制御されるK^+コンダクタンスが光によって抑制されることから発生することを明らかにしてきた。これはcGMPによつて開き、光によって閉じるチャネルが存在することを暗示したので、パッチ・クランプ法を用いてこのチャネルを実際に記録し、その性質を調べた。 暗順応したイソアワモチ光受容細胞のcell-attached型記録において、開閉のはっきりした単一チャネル電流が静止膜電位、脱分極又は過分極のどのパッチ膜電位においても観察された。この暗順応中のチャネル活動は光照射によって可逆的に抑えられ、予期したように光によって閉じる光感受性のチャネルの存在を証明した。このチャネルは外液の二価イオン、Ca^<2+>及びMg^<2+>に影響されず、またチャネルの逆転電位がパッチ膜内外にK^+濃度に依存するため、K^+選択性のチャネルであることを示した。この単一チャネルコンダクタンスはパツチ電極液が200mM K^+の場合、約70pSそして、450mM K^+の場合、約100pSを示した。一方、cell-attached型から記録されるこの光感受性K^+チャネルはinside-out型に変えるとその活動が消失した。しかし、擬細胞内液にcGMPを加えると光感受性K^+チャネルと区別できないcGMP感受性のチャネルが現れた。これは光によって閉じるチャネルがcGMPによって制御されていることを暗示した。 以上のように当初の計画はほぼ遂行できたので、次年度の目標である当該K^+チャネルの細胞内情報伝達物質との関係及び当該細胞の光受容器としての特徴を明らかにすることを進めている。
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