研究概要 |
シュードモナス菌のTOLプラスミドによって支配をうけるキシレン分解系酵素群の誘導合成の過程には、アクチベータ-蛋白XylSの誘導合成という一種のカスケード機構とも言える正の発現調節が関与している。 本研究では、XylS蛋白がどのような機構でキシレン代謝の下流オペロンの転写を活性化するかを明らかにする目的で実験を行った。 細胞内で誘導合成されたXylS蛋白が第2オペロン上のどの領域に結合するかを、ジメチルスルフェイトによるin vivoフットプリント法により解析した。tacプロモーターの下流につないだxylS遺伝子をIPTGで誘導すると、第2オペロンの転写開始付近の2つの領域(I;-54-36,-1-+9)がDMSによる修飾から保護された。この領域(I)は、これまでに報告されている第2オペロンの欠失変異や点変異を用いた解析結果と一致しておりXylS蛋白の結合部位と考えられる。領域IIは、転写開始点を含んでいることからRNA polymerase結合部位である可能性がある。これら2つの領域は近接していることから、XylS蛋白とRNA polymeraseがDNA上で直接相互作用を持つことが示唆された。
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