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1994 年度 実績報告書

ヒトのグロビン遺伝子発現スウィッチング機構におけるε-グロビン遺伝子転写制御

研究課題

研究課題/領域番号 05680598
研究機関日本医科大学

研究代表者

木山 裕子  日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)

キーワードε-グロビン遺伝子 / 転写制御 / サイレンサー / DNA折れ曲がり構造 / ヒト・グロビン遺伝子
研究概要

ヒトのε-グロビン遺伝子はβ-鎖グロビン遺伝子群の発現制御に重要な領域を5'上流域に持つ。そこで、発現制御ネットワークを調べる為、当初はε-グロビン遺伝子のサイレンサーを中心とした実験計画をたてたが、以後サイレンサー領域に限定せずに5'上流域、約-2kb、のDNA構造の特異性に焦点をあてて実験をすすめた。その際得られた興味深い知見から、実験対象領域をさらに拡大しDNA構造の特異性を検索した。平成6年度までの結果では、転写開始点5'上流域約-4.5kbから3'下流域約2.5kbにわたる領域をcircularpermutation法によりDNAの折れ曲がりについて注目して解析し、全領域にわたり682.5±132.0bp毎に規則正しく折れ曲がり部位が存在する知見を得た。これは、170bp/nucleosomeで約4nucleosome毎に折れ曲がり部位が存在する事になる。これらの折れ曲がり部位はすべて翻訳コードを除く箇所にのみ存在する事から、nucleosome phasingのシグナルとして機能している事が推測された。またさらに折れ曲がり部位は、高度なソレノイド構造をとる際にも正確に折り畳む為のシグナルにも使われているのではないかと推測された。折れ曲がり部位は、転写開始点及び終止点近傍やサイレンサー領域内等に同定された事からトランス制御因子の結合領域として転写活性に影響していると思われた。さらに最近は、β鎖遺伝子群のうち最も後期に発現するβ-グロビン遺伝子領域を4.4kbにわたりDNA折れ曲がり部位を同定したところ、折れ曲がり部位は最も初期に発現するε-グロビン遺伝子と一致しており、折れ曲がり部位が約700bpあるいはその倍数にピークを持つ周期性を持って遺伝子群全座にわたり存在し、グロビン遺伝子発現の進化過程において保存されている事が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 木山,裕子: "Conservation and periodicity of DNA bend sites in the human β-globin gene locus." J.Biol.Chem.(発表予定).

  • [文献書誌] 木山,裕子: "Periodicity of DNA bend sites in the human ε-globin gene region:Possibility of sequence-directed nucleosome phasing." J.Biol.Chem.269. 22238-22244 (1994)

  • [文献書誌] 木山,裕子: "A chromatin folding code in the human ε-globin gene region." Blood. 82. 475a- (1994)

  • [文献書誌] 木山,裕子: "The ε-globin gene silencer:Characterization by in vitro transcription." J.Biol.Chem. 267. 11532-11538 (1992)

  • [文献書誌] 木山,裕子: "Unique sequence features in the 2 kbp upstream flanking region of the ε-globin gene." Blood. 80. 4a- (1992)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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