研究課題/領域番号 |
05680623
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
岡崎 賢二 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50211115)
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研究分担者 |
佐方 功幸 久留米大学, 分子生命研, 教授 (80142024)
西澤 真由美 久留米大学, 分子生命研, 研究補助員 (10237696)
古野 伸明 久留米大学, 分子生命研, 助手 (80219120)
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キーワード | Mos / がん遺伝子 / 細胞周期 / アフリカツメガエル / リン酸化 / MPF / cdc25 |
研究概要 |
1.Xenopus卵巣cDNAライブラリーを検索することにより、従来報告されていないcdc25ホモログのcDNAクロンを得ることができた。全長の塩基配列を決定したところ、ヒトcdc25のA型に対応するクロンであることが示された。また、Xenopusでも既に知られているC型よりも、本研究で新たに得られたA型は種間におけるアミノ酸変異の小さいことが明らかとなり、細胞周期制御における機能の重要性が示唆された。 2.Xenopus cdc25A型およびC型のタンパク質産物を大腸菌内で合成させ、免疫原として抗血清を調製した。これを用いてXenopus卵細胞周期の進行に伴うcdc25産物の挙動を解析した結果、成熟前にすでにA型、C型共に合成されたタンパク質産物の存在すること、M期への移行に伴ってリン酸化を含めた分子修飾を受けることが明らかとなった。また、このリン酸化の少なくとも一部に、Mosの活性が必須であることも示された。 3.このcdc25A型、C型cDNAからin vitroで合成したmRNAあるいは大腸菌内で合成したタンパク質産物それぞれが、微小注入によって卵母細胞の成熟を誘導できることが明らかとなった。さらにこの活性には必ずしもN末端の領域は必要ではないことも示唆された。 4.原がん遺伝子産物Mosによる体細胞のがん化に対するcdc25産物の関与について解析するため、MosとXenopus cdc25クロンとをNIH3T3に共発現させたところ、これらのcdc25産物はMosのがん化能に対して顕著な影響を与えないことが明らかとなった。このことから、Mosによる細胞のがん化には、別個のシグナル伝達経路が働いていると考えられる。
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