【ERMに直接結合する蛋白質の解析】 BHK細胞から、エズリンの抗体で免疫沈降することにより、140kDの膜蛋白質にエズリンが結合していることが分かった。さらに、モノクローナル抗体の作製とcDNAクローニングにより、この膜蛋白質がCD44そのものであることが明らかになった。さらに、CD44のcDNAを単離し、そのミュータントを種々の細胞にトランスフェクトすることにより、ERMとCD44の相互作用をin vitroで詳細に検討した。 【EMRファミリーの大量生産、精製、in vitro アッセイ】 我々の研究室で単離したエズリン、ラディキシン、モエシンのcDNAを用いて、バキュロウイルスのシステムにより、エズリン、ラディキシン、モエシンのすべてを、大量生産することに成功した。これを用いて、以下のin vitro実験を進めた。 (1)それぞれとアクチンフィラメントとの相互作用。また、この相互作用に脂質やイオンがどのように影響するか? (2)CD44の細胞質ドメインとの相互作用。CD44の細胞質ドメインは、大腸菌を用いて大量生産したものをまず用いた。この結合についても、脂質やイオンの影響を調べた。
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