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1993 年度 実績報告書

ハーダー腺由来細胞成長因子による神経細胞の分化誘導機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05680652
研究機関東京大学

研究代表者

加納 和孝  東京大学, 医学部(医), 助手 (70111507)

キーワードニワトリ神経網膜細胞 / ラット胎児神経前駆細胞 / 細胞成長因子
研究概要

ハーダー腺はげっ歯類で発達しており、脂質を分泌することから潤滑作用が考えられているが実際にどのような役割を担っている器官であるかは明らかではない。申請者はこの器官にハーダー腺由来細胞成長因子(HGDGF)が多量に存在することを報告した。この因子の役割については未だ解明されたとは言えないが、申請者は本因子が角膜実質細胞の増殖すること、更に培養ラット胎児外胚葉性神経前駆細胞の神経突起の伸長を著しく促進することを明らかにした。
今回の研究ではHGDGFの培養ラット胎児神経前駆細胞と培養ニワトリ8日月胚神経網膜細胞の分化に及ぼす影響を調べることを目的として以下の実験結果を得た。
1.ラット胎児より外胚葉性神経前駆細胞を培養しその神経突起の伸長、コロニー形成に対するHGDGFの効果を調べた所、これらいづれも促進されることがわかった。シュラーミンはこのHGDGFの促進効果を阻害する。このことは神経細胞にも本因子の受容体があること、HGDGFが角膜細胞だけでなく神経細胞の増殖分化にも関与している可能性を示すものである。本因子一部のアミノ酸配列を含む合成ペプチドに対する抗体を作成したが抗体価が低くて実際の実験に供することは不可能であった。
2.ニワトリ胚神経網膜は培養開始後2日目位からDNAの断片化を伴う典型的なアポトーシスを起こす。これに対してHGDGFを加えてもこれを阻止しない。このことは網膜の分化にはHGDGFが関与していないことを示すのかも知れない。ニワトリ全胚由来の線維芽細胞はHGDGFに反応するのでこの違いは種の差によるものではないことは明らかである。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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