幼若型並びに分化型の神経細胞ならびにアストログリア細胞の培養系を確立した。培養神経細胞より条件培養液を回収しこのなかに含まれる液性因子のグリア細胞に対する増殖効果を以下のような実験系を用いて検索した。 神経細胞由来液性因子のグリア細胞の増殖に与える効果を、細胞数の測定ならびに3H-チミジンの取り込み実験により検索した。幼若ならびに分化型神経細胞より得られた条件培養液を幼若ならびに分化型アストログリアに48時間処置したのち細胞数を測定した。、幼若型グリア細胞では2種類の神経細胞由来条件培養液投与により有意な増殖の亢進が認められた。一方成熟型グリア細胞では増殖の促進は明らかではなくむしろ増殖抑制傾向を示していた。 チミジン取り込み実験によっても幼若グリア細胞は神経細胞由来液性因子の処置により著明な取り込み亢進が見られたが、成熟グリア細胞では取り込みの亢進が見られたが、成熟グリア細胞では取り込みの亢進は見られなかった。以上のごとく幼若ならびに分化型神経細胞由来の液性因子にはグリア細胞を増殖させる因子が含まれていることが明らかとなった。またこれらの増殖因子は幼若グリアに対しては増殖能を持つのに対し、成熟型に対しては増殖能を持たなかった。これらの反応の違いはアストログリア細胞の分化階段の違いにより液性因子に対する増殖応答性が異なっている為と考えられた。分化型グリアでは神経細胞由来に液性因子に対してむしろ増殖抑制反応を示しており、神経細胞には増殖促進効果とともに抑制効果も共有していることが推察された。 性体内でも神経系の発達階段や障害に対するアストログリアの反応性は、グリア細胞の分化階段の違いにより神経細胞由来の増殖因子に対し異なっていると考えられた。
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