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1993 年度 実績報告書

電位依存性カルシウムチャンネルの関与する神経機能調節機構の分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05680673
研究機関京都大学

研究代表者

藤田 至彦  京都大学, 医学部, 助手 (80192730)

キーワード電位依存性カルシウムチャンネル / cDNAクローニング / 非L型サブファミリー / cDNA発現 / ゼノパス卵母細胞 / BIIチャンネル / 不活性化速度 / ニッケルイオン
研究概要

電位依存性カルシウムチャンネルは多様な細胞機能の調節に重要な役割を果たしている。我々が行ってきたcDNAクローニングによるカルシウムチャンネルの構造決定及びcDNA発現による機能的同定により、カルシウムチャンネルは6種の遺伝子によりコードされており、さらにL型及び非L型サブファミリーに分類されることが明らかになった。今回、BI(P型)、及びBIII(N型)チャンネルと共に非L型サブファミリーに属するBIIチャンネルの発現実験をゼノパス卵母細胞を用いて行った。BIIチャンネルによる内向きバリウム電流は-20mV以上の試験電位で出現し、+13.7±9.3mVで最大になった。BIIチャンネルは活性化速度においてはBIやBIIIチャンネルと類似していたが、不活性化速度はBI及びBIIIチャンネルよりも有意に速く、+10mVにおいて半減期は82.4+33.9msであった。最大電流の50%に不活性化される電位はBI(-8.2mV)及びBIII(-27.9mV)よりも深く、-33.9mVである。BIIチャンネルはDHP、ω-コノトキシン、ω-アガトキシンの全てに非感受性であった。低閾値チャネルを阻害する100μMニッケルイオンはBIIチャンネルを50%以上阻害した。更には単一チャンネル電流の解析をしたところ、110mMBa^<2+>をチャージキャリアとするとスロープコンダクタンスは12.1pSとなり、これはBIの16pS及びBIIIの14pSより若干低い。
以上の実験によりBIIチャンネルは全くどの型にもあてはまらない新しい型であることが明らかになった。さらにBI、BII及びBIIIの3種の非L型チャンネルは共に神経伝達物質放出に関与すると考えられる。また機能的性質の異なる3種のチャンネルの相対的発現量を変化させることにより放出する伝達物質を変えたり、放出量を調節したりというシナプス可塑性の基礎を非L型チャネルの分子的多様性がなすと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 藤田 至彦: "Primary Structure and Functional Expression of the w-Conotoxinsensitive N-type Calcium Channel from Rabbit Brain" Neuron. 10. 585-598 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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