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1993 年度 実績報告書

高親和性NGFレセプターtrkA遺伝子産物の機能と発現調節

研究課題

研究課題/領域番号 05680674
研究機関大阪大学

研究代表者

池内 俊彦  大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (20093362)

研究分担者 畠中 寛  大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (60208519)
キーワード神経成長因子 / NGFレセプター / 神経細胞分化 / コリン作動性神経細胞 / 初代培養神経細胞
研究概要

1、NGFによるシグナル伝達機構の解析
本研究ではまず、高親和性NGFレセプターtrkA遺伝子産物の(チロシン)リン酸化及び全蛋白質のリン酸化パターンをPC12h細胞を用いて解析した。PC12h細胞とその亜種でNGFに対する応答の早いPC12h-R細胞を比較したところ、TrkAの存在量(発現量)及びTrkAのチロシンリン酸化強度に差異は見られなかったが、TrkAのチロシンリン酸化の持続に顕著な差がみられた。即ち、PC12h-R細胞ではTrkAのチロシンリン酸化がNGF添加後2時間まで持続するのに対し、PC12h細胞では30分で低いレベルに低下してしまうことがわかった。この持続性の違いが早いNGF応答の原因と考えられるので、今後、この持続性の違いをもたらす分子機構を脱リン酸化反応を中心に解析する。特に、チロシン脱リン酸化酵素の基質特異性を種々の合成オリゴペプチド(チロシンリン酸化)を用いて解析する。
2、trkファミリー遺伝子の発現調節
trkファミリー遺伝子の発現調節をラット前脳基底野コリン作動性ニューロンの培養系で解析した。既にRT-PCR法によって、胎児期の前脳基底野コリン作動性ニューロンの組織ではtrkAとtrkB mRNAの発現がなく、生後の組織ではそれらの発現があること、及び胎児期の培養ニューロンにおいてNGFによるtrkA mRNAの誘導がみられることを見い出している。また、生後の培養ニューロンにおいてBDNFによってtrkB mRNAの発現促進が見られることがわかった。したがって、ニューロトロピンレセプターmRNAの発現がそのリガンドであるニューロトロピンによって特異的に促進又は誘導されることが明らかになった。今後、このようなニューロトロピンによる応答ニューロンの活性化機構を探求する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Ikeuchi: "RNA blot analysis of cultured neuronal cells." Methods in Cell Biology(Takara Shuzo). 103-113 (1993)

  • [文献書誌] T.Ikeuchi: "Regulation of expression of the low-affinity NGF receptor (p75LNGFR) gene in clonal rat pheochromocytoma PC12h-R cells and cultured rat basal forebrain" Alzheimer's and Parkinson's Diseases:Recent Advances. 2(in press). (1993)

  • [文献書誌] T.Ikeuchi: "Structure and function of neurotrophin receptors" 最新医学. 49(in press). (1994)

  • [文献書誌] M.Kojima: "Nerve growth factor induces trkA mRNA expression in cultured basal forebrain cholinergic neurons from 17-day fetal rats" Neuroscience Letters. 168(in press). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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