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1993 年度 実績報告書

アルツハイマー病脳における老人斑形成機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05680675
研究機関大阪大学

研究代表者

播口 之朗  大阪大学, 医学部, 助教授 (10028459)

研究分担者 武田 雅俊  大阪大学, 医学部, 講師 (00179649)
西村 健  大阪大学, 医学部, 教授 (70028455)
キーワードアルツハイマー病 / APP / ibotenic acid / カテプシンD / クラスリン / GFAP / ubiquitin / MAPIa
研究概要

アルツハイマー病脳においてAPP陽性の老人斑がみられ、病態と関連が深いことが指摘されている。また、最近アルツハイマー病脳においてグルタミン合成酵素の活性が上昇していることが報告され、グリタミン酸の代謝系の以上が指摘されている。我々は、グルタミン酸受容体のアゴニストであるibotenic acidをラット片側海馬に大量に注入すると100日後に破壊部にAPPが大量に蓄積しているのが観察される。APPの蓄積のメカニズムを探るために種々の抗体を用いて、APPの蓄積と関連のある蛋白を免疫組織化学的に検討した。破壊部位に顆粒状に蓄積しているAPPとその分布が、検索した蛋白の中で最も一致するのはカテプシンDであった。一部が一致していると考えられるのは、MAP1B、クラスリン軽鎖、ミクログリアのマーカーのひとつであるIa、ユビキチンにであった。GFAPはほぼ萎縮海馬全域にみられ、また、シナプトフィジン、neurofilament、MAP2は全体に高度の減少がみられた。これらの結果からAPPの蓄積にカテプシンDなどのライゾーム酵素が関与していることが示唆された。また、蛋白の代謝や輸送に関係あるユビキチンやクラスリン軽鎖の分布はほぼ一致し、coated vesicle内の代謝にユビキチンが関与しているという報告があることから、coated vesicleを介する代謝系の活性化が考えられる。これらの分布が一部蓄積したAPPと一致し、また、顆粒状でないAPPの染色部位と一致することから、APPの代謝にクラスリンが関与することが示唆される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 播口之朗: "老人の生化学" 精神医学. 35(2). 127-133 (1993)

  • [文献書誌] T.Nishimura: "Characteristics of Alzheimer cells with a mutation 717APPVal-Ile in amyloid beta protein precursor" Advance in Bioscience. 87. 319-320 (1993)

  • [文献書誌] 武田雅俊: "アルツハイマー病研究に関する最新の進歩-アミロイドβ蛋白前駆対の突然変異の意義とアミロイドβ蛋白沈着のメカニズムについての仮説-" 臨床精神医学. 21(12). 1889-1895 (1992)

  • [文献書誌] 播口之朗: "-老人病の予防-アルツハイマー型痴呆" Gerriat.Med.31(4). 511-517 (1993)

  • [文献書誌] 播口之朗: "脳循環障害の薬物療法" 大阪大学医学部学友会誌. 19S-24S (1992)

  • [文献書誌] 播口之朗: "痴呆の病態と薬物療法について" 老年期痴呆研究会誌. 5. 75-87 (1991)

  • [文献書誌] 西村健: "老年期の精神障害" ライフ・サイエンス, 162 (1993)

  • [文献書誌] 播口之朗: "今日の老年期痴呆治療" 金剛出版, (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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