研究課題/領域番号 |
05680676
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
乾 誠 大阪大学, 医学部, 助教授 (70223237)
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研究分担者 |
林 謙一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (90238105)
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
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キーワード | 細胞膜骨格 / カルシウム制御 / アネキシンVI / カルスペクチン |
研究概要 |
神経細胞におけるアネキシンVIの機能を明かにすることを目的として、ラット脳におけるアネキシンVIの標的蛋白質の検索を行った。その結果、ラット脳のにおいて約14種類の蛋白質とカルシウム/燐脂質依存性に結合することが明らかとなった。これらの蛋白質のうち240kDaの蛋白質はP2分画さらにTritonX-100で処理した細胞骨格分画に豊富に存在し、抽出条件および精製蛋白質との比較からカルスペクチンであることを同定した。アネキシンVIのカルスペクチンへの結合は、カルシウム依存性でホスファチジルセリン及びホスファチジン酸に特異的であった。カルスペクチンはF-アクチン架橋能を有している。そこでアネキシンVIのカルスペクチン-アクチン相互作用への効果を落下球法による粘度測定及び遠心法による結合実験により解析した。その結果、アネキシンVIは、1)カルシウム/燐脂質共存下においてのみ粘度を著名に低下させること、2)同様の条件下でF-アクチンからカルスペクチンを解離させることが明かとなった。さらに、カルスペクチンのアネキシンVI結合部位を検討した結果、アネキシンVIはカルスペクチンのβサブユニットのN末端側のアクチン結合部位近傍に結合することが明かとなった。以上の結果は、アネキシンVIがカルシウム/燐脂質依存性にカルスペクチン-アクチン相互作用を調節し、細胞膜骨格を制御している可能性を示唆する。
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