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1993 年度 実績報告書

神経細胞のグルタミン酸応答性と一酸化チッ素による制御

研究課題

研究課題/領域番号 05680677
研究機関岡山大学

研究代表者

津田 正明  岡山大学, 薬学部, 助教授 (80132736)

キーワードシナプス可塑性 / グルタミン酸レセプター / カルシウム / c-fos / 一酸化チッ素 / 小脳顆粒細胞 / BDNF / プロテインキナーゼC
研究概要

本研究の目的は、神経細胞のグルタミン酸応答性を遺伝子発現レベルから理解することにある。そして、脳の高次機能発現や神経疾患発症のメカニズムの理解を試みる。当該年度は、神経細胞の初代培養系を用いて、主に以下の点について検討を加えた。
1.グルタミン酸刺激で誘導されるAP-1活性化(あるいはc-fos誘導)は、レセプターイオンチャネル、電位依存性イオンチャネル、いずれから流入したCa^<2+>でも引き起こされた。また、共通にプロテインキナーゼC(PKC)の活性化が関与していることを明らかにした。
2.NMDA(N-methyl-D-aspartate)あるいはカイニン酸刺激では持続的な、グルタミン酸刺激では一過的なc-fos誘導が見られる。これは、細胞外Ca^<2+>の流入状況と対応している。さらに、このCa^<2+>シグナリングはc-fos誘導の抑制活性に対して優性効果を持っていた。
3.BDNF(Brain-derived neurotrophic factor)の発現誘導に、グルタミン酸刺激で誘導されるAP-1が関与している可能性を指摘した。また、他の転写制御因子がAP-1と協同的にBDNFの発現誘導に関わっている可能性がある。
4.小脳で発現されているAP-1は、その構成成分あるいはリン酸化レベルが、海馬や大脳皮質のAP-1とは異なっていた。
5.一酸化室素(NO)生成薬剤投与によって、NOがc-fos誘導あるいはAP-1活性レベルを制御している可能性を明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Katayama,N.: "Additive induction of Egr-1 (zif/268) mRNA expression in neuroblastoma x glioma hybrid NG108-15 cells via cholinergic muscarinic,α_2-adrenergic and bradykinin receptors." J.Neurochem.60. 902-907 (1993)

  • [文献書誌] Ono,K.: "Neurite outgrowth from N18TG2 neuroblastoma induced by H-7,a protein kinase inhibitor,in the presence of colchicine." Brain Res.Bull.31. 209-215 (1993)

  • [文献書誌] Yuasa,S.: "Fate and behavior of genetically lebeled cerebellar cells after transplantation into mouse cerebellum." Neurosci.Res.17. 257-263 (1993)

  • [文献書誌] Ono,T.: "Limited diffusibility of gene products directed by a single nucleus in the cytoplasm of multinucleated myofibres." FEBS Lett.337. 18-22 (1994)

  • [文献書誌] Tsuda.M.: "動物遺伝子発現制御機構とその細胞機能発現とのかかわり" 薬学雑誌. 113. 537-555 (1993)

  • [文献書誌] Tsuda.M.: "神経活動依存的な神経ネットワーク形成" 実験医学. 12. 59-65 (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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