研究課題/領域番号 |
05680679
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
磯辺 俊明 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70106607)
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研究分担者 |
花岡 和則 北里大学, 理学部, 教授 (40189577)
ISOBE Toshiaki Tokyo Metropolitan Univ, Associate professor (70106607)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 神経回路 / 組織形成 / 細胞周期 / シグナ伝達 / 小脳タンパク質 / 遺伝子クローニング / 核内因子 / 一次構造 |
研究概要 |
マウス/ラット小脳を実験系として脳神経系の形成に関与する蛋白質/遺伝子を検索し、その構造・機能解析によって哺乳動物脳の神経回路形成の分子機構を解明することを目的として研究を行い、以下の結果を得た。(1)小脳形成の過程で特異的に発現し、神経回路形成への関与が考えられる蛋白質を系統的に検索、分離、同定した。同定した蛋白質には、神経細胞の分化に関与する脂質結合蛋白質、各種の蛋白質キナーゼに基質であるMARKS、リンパ球の増殖制御に関与するスタスミンなどが含まれた。これらはいずれも細胞周期の調節や組織形成での機能が推定されるシグナル伝達系の蛋白質であった。(2)本研究の過程で分離した2種類の新規蛋白質についてcDNAクローニング法により一次構造を決定した。また、特異抗体やcDNAを用いた組織化学的な方法により小脳成熟過程での発現パターンを解析し、小脳の形成不全を伴う遺伝的変異をもつマウス(staggerer)での発現についても検討した。こうした研究を行った分子の1つ(V-1)は、ショウジョウバエや線虫で細胞の分化や細胞周期の調節に関与しているタンパク質と共通の“細胞周期リピート"構造をもち、神経細胞、とりわけ小脳の顆粒細胞の分化に関わっていること、他の1分子(LANP)は、特異的なタンパク質間相互作用を媒介する“ロイシンリッチリピート"構造をもち、神経細胞に存在する核内因子として小脳形成過程での遺伝子発現の調節に関与していること、その直接の標的は神経系の初期発生に関与するホメオティック遺伝子であることが明らかになった。以上の研究の結果は、哺乳動物の神経回路形成が、その他の組織やより下等な生物での回路形成と多くの部分で共通の分子機構によって担われていること、シグナル分子をはじめとする構成成分の系統的な分離と分子間相互作用の解析によって、その分子機構の解明が可能であることを示唆するものであった。
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