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1994 年度 実績報告書

脳内神経伝達物質遊離調節における興奮性アミノ酸受容体の関与について

研究課題

研究課題/領域番号 05680684
研究機関日本大学

研究代表者

芝軒 信次  日本大学, 医学部, 講師 (80158956)

研究分担者 菅原 恵  日本大学, 医学部, 助手 (70246891)
キーワード脳内透析法 / HPLC-ECD / アミノ酸 / ドーパミン / アセチルコリン / 興奮性アミノ酸 / NMDA受容体 / non-NMDA受容体
研究概要

脳内神経伝達物質遊離調節におけるNMDA受容体の関与を明かにする目的で、平成6年度の研究計画に従って実験を行い以下の知見が得られた。1)NMDA(0.03-10mM)ラット線条体に短時間(10分間)局所適用することにより、用量に依存したタウリン(TAU)、アスパラギン酸(ASP)、グルタミン酸(GLU)などのアミノ酸およびドーパミン(DA)濃度の上昇が認められた。TAU濃度は低濃度(0.03mM)のNMDA適用により有意な増加が認められたが、ASP、GLUおよびDAは高濃度のNMDA(>1mM)を適用した時のみ有意な増加が観察された。2)高濃度NMDA(1mM)持続適用によりTAU、ASP、GLUおよびDAの著明な増加が認められた。NMDA持続適用によるこれら反応に脱感作現象が観察されたが、DAにおいて最も顕著に認められた。3)non-NMDA受容体興奮薬であるAMPA(1mM)持続適用によっても、細胞外アミノ酸およびDAが有意に上昇した。4)NMDAによるTAU増加作用は、AP-5(NMDA受容体拮抗薬;1mM)前処置により拮抗されたが、DNQX(non-NMDA受容体拮抗薬;0.1-0.3mM)処置では影響されなかった。AMPAによるTAU増加作用は、DNQXにより拮抗されたが、AP-5処置では影響されなかった。一方、AMPAによるDA増加作用は、DNQX処置によってのみ抑制されたが、NMDAによるDA増加作用はAP-5およびDNQX処置により、強く抑制された。5)NMDAおよびAMPAによるTAUの増加作用は、高張溶液(150mM蔗糖を加えたもの)潅流下においても全く影響を受けなかったが、DAの増加作用は強く減弱された。6)NMDA(1mM)持続適用により、線条体アセチルコリン濃度の有意な増加が観察された。7)以上の知見より、TAUは低濃度の外因性興奮性アミノ酸(NMDA or AMPA)適用に対し、GLUやDAなどと比し鋭敏に反応することが明らかになった。また、高濃度のNMDAあるいはAMPA適用によるDA増加は、細胞障害に伴う細胞膨張(swelling)あるいはそれに伴う他の伝達物質(GLU?)の遊離増加を介して引き起こされる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kogure,M et al.: "Pharmacological procedure modifying the pattern on induction of long-term potentiation in rat hippocampus" Neurosciences. 20. 1-8 (1994)

  • [文献書誌] 菅原恵 他: "NMDA誘発細胞外タウリンとドーパミン濃度増加機構の相違" 神経化学. 33. 504-505 (1994)

  • [文献書誌] 菅原恵 他: "NMDAおよびAMPA誘発線条体アミノ酸遊離における浸透圧変化の影響" 脳研究会会誌. 21(印刷中). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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