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1993 年度 実績報告書

ストレス反応の中枢性発現機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05680686
研究機関久留米大学

研究代表者

田中 正敏  久留米大学, 医学部, 教授 (10080954)

研究分担者 田中 隆彦  久留米大学, 医学部, 講師 (20217045)
横尾 秀康  久留米大学, 医学部, 講師 (00174847)
吉田 眞美  久留米大学, 医学部, 助教授 (50148285)
キーワードストレス / ノルアドレナリン放出 / 脳内透析灌流法 / CRF / ヨヒンビン / 青斑核 / 扁桃核 / ラット
研究概要

本年度は、Wistar系雄性ラットを対象とし、脳各部位のノルアドレナリン及びその主要代謝産物である3methoxy-4-hydroxyphenylethyleneglycol sulfate含量の蛍光法による定量法と脳内微小透析灌流法とを用いてストレス反応の中枢性発現機構に関する研究を行った。ラットをペントバルビタール麻酔下に脳定位固定装置に固定し、先端部が半透膜からなる透析用プローブを、扁桃核、視床下部、青斑核などに挿入し、その部の灌流を行った。試料は20分毎に採取し、得られた灌流液中のノルアドレナリン含量を電気化学検出器付の高速液体クロマトグラフィーにより定量した。プローブを青斑核に挿入し、灌流液からテトロドトキシンを応用したところ、青斑核のノルアドレナリンの基礎放出量は完全に抑制され、灌流液中のノルアドレナリンが神経伝達物質として放出されたものであることが明らかになった。さらにヨヒンビンの応用により、青斑核のノルアドレナリン放出が亢進し、青斑核のノルアドレナリン放出はalpha_2アドレナリン受容体により抑制性の調節を受けていることが示された。また、物理的要因をほとんど伴わない情動ストレスである恐怖条件づけにより、青斑核と扁桃核で同時にノルアドレナリン放出が亢進することが、脳内透析法により明らかになった。さらに、corticotropin-releasing factor(CRF)の拮抗薬であるalpha-helical CRF_<9-41>をあらかじめ脳室内投与しておくと、拘束ストレスによって生じるノルアドレナリンの放出亢進が、視床下部や扁桃核や青斑核部で減弱されることから、脳各部位のノルアドレナリン放出亢進を始めとした一連のストレス反応の引き金として、CRFが重要な役割を果たしていることが示唆された。今後は、この引き金機構に注目し、その詳細を明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Emoto,H.et al.: "A CRF antagonist attenuates stress-induced increases in NA turnover in extended brain regions in rats." Brain Res.627. 171-176 (1993)

  • [文献書誌] Yoshida,M.et al.: "Opposite changes in the mesolimbic dopamine metabolism in the nerve terminal and cell body sites induced by locally infused baclofen in the rat." Brain Res.636. 111-114 (1993)

  • [文献書誌] Tanaka,M.: "Brain noradrenaline system and emotional changes caused by stress." J.Univ.Occupat.Enviro.Health. 15. 256-263 (1993)

  • [文献書誌] 田中,正敏: "ベンゾジアゼピン系抗不安薬" 精神医学. 36. 43-48 (1994)

  • [文献書誌] 田中,正敏: "ストレス反応におけるcorticotropin releasing factor(CRF)の意義" 医学のあゆみ. 168. 250-251 (1994)

  • [文献書誌] 石井,秀夫ほか: "ラットの青斑核の機能に関する神経化学的研究" 精神薬療基金研究年報. 25,in press. (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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