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1994 年度 実績報告書

ミクログリアの脳内生理機能に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05680691
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

高坂 新一  国立精神・神経センター, 神経研究所・代謝研究部, 部長 (50112686)

研究分担者 今井 嘉紀  国立精神, 神経センター・神経研究所・代謝研究部, 併任研究員
中嶋 一行  国立精神, 神経センター・神経研究所・代謝研究部, 室長 (50175494)
キーワードミクログリア、 / 神経栄養因子、 / ニューロン、 / プロテアーゼ、 / プラスミノーゲン
研究概要

培養ミクログリア由来の神経栄養因子のひとつとしてプラスミノーゲン(PGn)が同定されたが、この物質の神経栄養活性は従来知られておらず、ニューロンにおける作用メカニズムも不明であった。そこでまず最初にニューロンにPGnのリセプターが存在するかどうかという問題から取り組むことにした。^<125>IラベルしたPGnを用いてニューロンへの結合性を調べると、特異的な結合性が認められ、それはグリア細胞には非常に少ないという特徴があった。またリガンドブロット法によりPGn結合タンパクの検索を行ったところ、PGnは主にニューロン細胞膜に存在する分子量45kDaのタンパクに結合することが明らかとなった。そこで胎生期(E17)のラット脳から細胞膜画分を得、更にこれを材料としてこの45kDaのPGn結合タンパクの精製を試みた。精製に成功したタンパクは、そのアミノ酸配列からラットα-エノラーゼと判明した。この結果はラットα-エノラーゼの抗体が45kDaのPGn結合タンパクを認識することからも確認されている。また同抗体を用いた免疫細胞化学的検討により、培養ニューロンは細胞表面にα-エノラーゼを分布させていることも示された。
最近、培養ニューロンをPGnで刺激するとニューロンのあるタンパク質のリン酸化が特異的に促進されたり、細胞内Caの変動を引き起こす作用が発見された。これらの現象がPGn結合タンパク(α-エノラーゼ)を介したシグナル伝達により進行する可能性もあり、現在それらの解析を行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nagata,K.: "Microglial conditioned medium promotes survival and development of cultured mesencephalic neurons from embryonic rat brain" J.Neurosci.Res.34. 357-363 (1993)

  • [文献書誌] Nagata,K.: "Microglia-derived plasminogen enhances neurite outgrowth from explant cultures of rat brain" Int.J.Dev.Neurosci.11. 227-237 (1993)

  • [文献書誌] Nakajima,K.: "Functional roles of microglia in the brain" Neurosci.Res.17. 187-203 (1993)

  • [文献書誌] Nagata,K.: "Plasminogen promotes the development of rat mesencephalic dopaminergic neurons in vitro" Dev.Brain Res.75. 31-37 (1993)

  • [文献書誌] Nakajima,K.: "Plasminogen-binding protein associated with the plasma membrane of cultured embryonic rat neocortical neurons" FEBS Lett.333. 223-228 (1993)

  • [文献書誌] Nakajima,K.: "Plasminogen binds specifically to α-enolase on rat neuronal plasma membrane" J.Neurochem.63. 2048-2057 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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