研究課題/領域番号 |
05680729
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
上原 明 福岡大学, 医学部, 講師 (60140745)
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研究分担者 |
小川 皓一 福岡大学, 医学部, 助教授 (60078780)
緒方 繁憲 福岡大学, 医学部, 講師 (30131816)
松下 操 福島県立医科大学, 講師 (00165812)
今永 一成 福岡大学, 医学部, 教授 (40078613)
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キーワード | イオンチャネル / 心筋 / 小胞体 / 単一イオンチャネル電流 |
研究概要 |
心筋小胞体粗膜標品および精製蛋白標品を調整し、主に人工脂質平面膜法を用いて、人工膜に封入された小胞体のCa放出チャネルやKチャネルから単一チャネル電流を記録した。 まず、細胞内生理活性物質として、形質膜を構成する脂質代謝産物のアラキドン酸を選び、チャネル活性への制御機構について酵素論的検討を行った。同酵素論的展開にあたり、RI結合実験を併用した。その結果、アラキドン酸の小胞体Ca放出チャネルに対する抑制機構を見出した。アラキドン酸は、心筋小胞体からのCa動態に関与する重要なセカンドメッセンジャーであることが示唆された。現在、この仕事は論文投稿中である。 もうひとつの生理活性物質として、低分子量G蛋白質の3つのファミリーのうち、今回はrasを選び、小胞体Ca放出チャネルおよびKチャネルとの相互作用の有無を調べた。その結果、rasは両チャネル蛋白に対して有意な効果を及ぼさなかった。 更に、病態モデルとして心筋症を選び、小胞体イオンチャネル電流の特徴について正常な場合と比較した。この病態および正常小胞体Ca放出チャネル間では、分子そのものの諸性質は変わらないが、小胞体膜の単位面積当たりのチャネル密度に差が認められた。 また、ミトコンドリアの外、内膜標品の単離精製に努めた結果、昨年後半、遂に成功を収めた。このミトコンドリア標品を用いて、小胞体同様の研究を次年度以降展開する予定である。
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