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1994 年度 実績報告書

トランスジェニックマウスを用いたポリオウイルス感染防御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05680739
研究機関北里大学

研究代表者

寺田 英司  北里大学, 理学部, 助教授 (10113440)

キーワードトランスジェニックマウス / ポリオウイルス / 粘膜免疫 / 経口ワクチン
研究概要

経口免疫により賦与されるポリオウイルスに対する,粘膜免疫応答の成立機序について解析した.実験には、ポリオウイルスレセプター導入トランスジェニック(PVR-Tg)マウスを用いた.ポリオウイルスとしては,I型強毒株のMahoney株に由来するPVR-Tgマウス腸管で訓化したMN341株を用いた。MN341株は経口感染の後,体内伝幡がみられ脳内で増殖しPVR-Tgマウスを致死させ,LD_<50>は10^<4.5>pfu/mouseであった。この結果から、経口免疫ウイルス量としては10^4pfu/mouse,攻撃ウイルス量は10^6pfu/mouseとし以下の実験を行った。一回の経口免疫を行ったPVR-Tgマウス群は,免疫後7日目の攻撃ウイルス量による感染に対しても100%の生存率を示し,経口免疫二回,三回群においても同様の成績が得られた。経口免疫を行ったPVR-Tgマウスでは,ウイルスの体内伝幡が阻止されていた.また,非免疫と経口免疫PVR-Tgマウスに,攻撃ウイルス量を感染させ腸管局所のリンパ球のサイトカインmRNAの発現を比較したところ,生存する経口免疫マウスでは,IL-4,IL-5ならびにIL-6の発現が認められた.さらに経口免疫を行ったPVR-Tgマウス血中ならびに糞便中の抗体を測定した結果,血中ではIgG,IgM,糞便中にはIgA,IgGクラスの特異抗体と中和抗体の上昇が認められた.
以上の結果より,ポリオウイルスの経口感染に対する感染防御には経口免疫により誘導されるIgAを主体とする腸管局所での粘膜免疫応答の誘導が重要であることが示唆された.

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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