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1994 年度 実績報告書

免疫センサ開発のための結晶性のよいオリゴチオフェン膜の原子レベルの表面改質

研究課題

研究課題/領域番号 05680753
研究機関東京大学

研究代表者

池田 研二  東京大学, 医学部(医), 講師 (70010030)

研究分担者 斉藤 正男  東京電機大学, 工学部, 教授 (60010708)
キーワードオリゴチオフェン / アミノ基 / 真空蒸着膜 / 積層構造 / 表面改質
研究概要

平成6年度は、昨年度合成に成功したアミノ基を持つオリゴチオフェン分子の真空蒸着膜の作製と評価を行った。合成した分子である、α,α′-ビス(アミノメチル)オリゴチオフェン(BAMOT)とα,α′-ビス(アミノメチル)オリゴチオフェン塩酸塩(BAMOT・Salt)であを以下の条件において真空蒸着し、蒸着膜を作製した。2×10^<-6>Torrの圧力下で、BAOTとBAOT・Saltのそれぞれ10mgをタングステンボ-トに入れ、これを加熱融解して、石英基板に蒸着した。この蒸着膜の赤外吸収スペクトルを調べると、KBrペレットを用いて測定したスペクトルと同じであった。この事実は、オリゴチオフェン分子が壊れることなく蒸着されることを示す。
次いで、この膜のθ-2θのX線回折を調べた。BAMOTは回折ピークが規則正しい間隔で現われており、この膜が基板に垂直な方向に対して秩序よく積層した分子膜からなることがわかる。一次の回折間隔は、1.84nmである。この規則正しい構造から、この薄膜の表面にはアミノ基のような化学的に活性な基が高密度に存在していると考えられる。薄膜の基板への良好な密着性はこのことによって理解し得る。一方、BAOT・Saltの蒸着膜は、上記のような規則的な構造を示さない。また、X線光電子分光法によりBAOT膜の表面分析を行った結果、予想通り表面には高密度のアミノ基が存在していることがわかり、その密度は4×^<14>個/cm^2であった。さらにBAOT膜の導電率を測定した。NOBF_4でのド-ピング前後での導電率はそれぞれ10^<-10>S/cm、10^<-3>/cmであり、従来のオリゴチオフェンに近い値を示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Muguruma: "Synthesis Characterization of α,α′-Bis(aminomethyl)oligothiophenes and properties of theirs Evaporated Films" Journal of American Chemical Society. (発表予定). (1995)

  • [文献書誌] 六車仁志: "末端にアミノ基を持つオリゴチオフェンの合成とその蒸着膜の性質" 日本化学会第69春季年会. (発表予定). (1995)

  • [文献書誌] 六車仁志: "アミノ基を持つオリゴチオフェン蒸着膜のESCAによる表面分析" 日本膜学会第17年会. (発表予定). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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