研究課題/領域番号 |
05680762
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
矢島 弘嗣 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20221640)
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研究分担者 |
植田 百合人 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (70203453)
玉井 進 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10075088)
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キーワード | 腱 / 癒着防止材 / ゼラチン / エンドトキシン |
研究概要 |
平成5年度に熱架橋(150℃、24時間)およびグルタルアルデヒド架橋(3種類の濃度)、合計4種類の架橋ゼラチンを作製し、ラット皮下に移植して吸収される過程を組織学的に検討し、熱架橋を行ったものが組織反応および吸収速度ともにわれわれが必要とする条件を満たすものと結論した。そこでさらに2週以内の吸収される過程を組織学的に観察したところ、移植後2日から10日頃にかけて、炎症細胞の浸潤も観察された。この原因として、材料作製時に使用した蒸留水中のエンドトキシンの関与が疑われた。そこで作製材料中のエンドトキシン量を測定したところ、69.2pgのエンドトキシンが含まれていた。 そこでエンドトキシンを可能な限り除去した蒸留水で作製した架橋ゼラチン膜A(エンドトキシン3.68pg)と、先に作製した架橋ゼラチン膜B(エンドトキシン69.2pg)の2種類の架橋ゼラチン膜をラット皮下に移植して、移植後早期の組織反応について検討した。Aでは著しい炎症反応は認められなかったが、Bでは術後10日頃まで炎症反応が認められた。このことから吸収性材料の早期組織反応にエンドトキシンが関与していることが示唆され、エンドトキシンを除去する重要性が認識された。 来年度はエンドトキシンをを除去した癒着防止膜を作製し、鶏を用いてその防止効果について検討する予定である。
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