研究課題/領域番号 |
05680764
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
依田 賢太郎 東海大学, 開発工学部, 教授 (80240365)
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研究分担者 |
鈴木 和夫 東海大学, 開発工学部, 助教授 (10112781)
榊原 学 東海大学, 開発工学部, 教授 (10135379)
堀川 宗之 東海大学, 開発工学部, 教授 (40229232)
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キーワード | 脊髄後根神経節 / 培養神経細胞 / 低出力レーザー / パッチクランプ法 / カルシウムイオン / 疼痛除去 / ブラジキニン / 活動電位 |
研究概要 |
1)低出力レーザー(Ga-Al-As半導体レーザー、波長830nm、出力20〜60mW)をレンズにより直径約10〜20μmの微小スポットに集光してマウス脊髄後根神経節より分離、精製、培養した神経細胞の神経線維に正確に照射する方法を確立し、実際の臨床的疼痛治療条件に近い60秒程度照射した結果、神経線維に顕微鏡的に顕著な消失や変形はみとめられなかった。 2)パッチクランプ法により培養神経細胞の活動電位を測定した結果、培養2日目までは活動電位の測定が容易であったが、3日目以降は細胞表面が硬く測定に困難が伴った。疼痛物質であるブラジキニンを培養神経細胞に作用させるとインパルス頻度および細胞内カルシウムイオン濃度が増加した。レーザー照射後はインパルス頻度がやや減少する傾向が認められた。 3)培養神経細胞の神経線維にレーザー照射を行いながら活動電位の変化を測定する実験は再現性に問題があり、定量的データは得られていない現状であるが、ノイズの低減の工夫により精度の向上が期待される。 4)本研究により低出力レーザーによる疼痛除去機構を細胞レベルで解析するための方法論の基礎が確立された。今後、痛み刺激による神経細胞の興奮のレーザー照射による抑制について定量的研究を進め、疼痛治療の改善に結び付けたい。
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