第1に国際労働移動が主として受け入れ国の国民経済厚生に対して及ぼす静学的影響についてとりまとめた。いわゆる市場の失敗がない限り、受け入れ国には、大国である限り、労働移入受け入れが望ましが、送り出し国からの報復があるような場合には総量規制するか、それとも受け入れ税規制するかにより厚生に及ぼす影響が格段に異なる。 第2にマーシャルの外部経済や、人的資本蓄積過謹に働く金銭的外部効果を考慮して熟練労働者受け入れの厚生効果を吟味した。とりわけ、後者の効果に着目するとき、海外からの熟練労働受け入れが、国内の人的資本蓄積を阻害し、厚生悪化をもたらす可能性があることが明らかとされた。
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