研究概要 |
Differential posetを,rank nのpartial differential poset Pから構成する次の方法がD.Wagnerによって与えられている.Pのrank nの元全体P_nとrank n-1の元全体P_<n-1>のr個のコピーの直和P_n^UP_<n-1>^U…^UP_<n-1>をrank n+1の元としてPにつけ加えることによって,rank n+1のpartial differential poset E_r(P)ができ,この操作をくり返すとdifferential poset E^∞_r(P)が得られる. 今年度の研究では,partial differential poset PのHasse diagramをBrattelli diagramとする半単純環の列A_0CA_1C…CA_nについて,生成元,その間の関係式,P上のpathを用いた既約表現の構成法などがよくわかっているときに,その情報をもとにして,E^∞_r(P)のHasse diagramをBrattelli diagramとする半単純環の塔A_0CA_1C…CA_nCA_<n+1>C‥‥の生成元,その間の関係式,E^∞_r(P)上のpathを用いた既約表現の構成を与えた. また,P_n,P_<n-1>を基底とする線型空間A,Bの上に,Pの半順序と両立するfusion algebraの構造が入っているとき,E_r(P)のrank n+1の元全体を基底とする線型空間A【symmetry】B^<【symmetry】r>の上に,E_r(P)の半順序と両立するfusion algebraの構造を,A,Bの積をひねることによって導入した. Robinson-Schensted対応との関係をより精密に見るには,上で構成した半単純環の列のdeformationを考察する必要がある.
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