Morandiによって定義された非可換Prufer環は、その極大イデアルによる局所化がDubrovinの意味の非可換付値環であることによって特徴付けられる。ところで、これまでに私は、非可換付値環の素イデアルと準素イデアルの分類に関していくつかの結果を得ているが、これらを非可換Prufer環へ拡張することを試み、次のような結果を得た:Rを非可換強Prufer環とするとき(1)Rの素イデアルPに対して、P-準素イデアルは積に関して閉じている。もしもPがベキ等でないなら、{P^k|k∈〓}が、RのP-準素イデアル全体である。(2)すべてのP-準素イデアルの共通部分P_0は、Rの素イデアルである。またPとP_0とのあいだには素イデアルは存在しない。(3)Pがbanchedであるための必要十分条件は、PがPにふくまれる素イデアルの和集合として表わされないことである。 また、非可換Prufer環は半遺伝的であるが、そのような環と、そのidealizerに関して、次のような結果を得た:Vを可換付値環、Fをその商体とし、Qを有限次中心単純下-多元環とする。SをQのV-order、KをSの半極大右イデアル、RをKのSにおけるidealizerとする。このとき(1)Sが半遺伝的であることと、Rが半遺伝的であることは同値である。(2)KはRの左イデアルとして、有限生成射影的である。(3)RがSからのiterated idealizerとして得られるための必要十分条件はm^KS≦Rとなる正整数kが存在することである。(ここで、mはVの極大イデアルとする。)
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