Laplace方程式の境界値問題に対する代用電荷法(charge simulation methodあるいはfundamental solution mathod)の電荷点・標本点の配置に、必ずしも領域の写像関数ではない一般の等角写像を用いた場合について、収束と近似解の誤差評価に関する定理を得ることが出来た。さらにこの定理を背景として、ある具体的な配置法を提案した。これは領域の境界曲線のパラメーターづけに基づくもので、様々な領域(写像関数が容易に求まらないような場合も含む)について適用可能であり、また等角写像の計算に高速フーリエ変換が利用出来るため、実用性が高いと期待されるものである。これらのことを数学的に解析するだけでなく、計算機による数値実験によっても解析した。その結果、この配置法が領域の写像関数を利用したものよりも優れていること(特に凹みのある領域に適用した場合)が実証できたと考えている。以上の結果は、“On the collocation points of the fundamental solution method for the potential problem"という論文(岡本久氏と共著)にまとめて投稿中である。 今回証明出来た定理は一般的なものであるが、数値実験や簡単なモデル問題からの知見によれば、領域の形に応じた解析、特に領域が凸である場合の解析が必要であると考えられる。一方で実際の応用に際しても、解決しなければならない問題が多く残されている。計算機コードの開発も含めて将来の研究課題としたい。
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