研究概要 |
1.4,5-ethyleneditio-1,3-diselenole,4,5-(isopropylidenemethyleneditio)-1,3-dithiole等のユニットは、HOMOの横方向の拡がりが揃っているため、二次元的な分子配列が実現しやすい。Hydroxymethyl基を持つユニットは、対アニオンとの間に水素結合を介した相互作用が期待できる。本研究では、これらを非対称的に組み合わせたtetrathiafulvalene(TTF)またはdiselenadithiafulvalene(DSeDTF)の合成を以下の方法で行った。 まず、二次元的なユニットのケント体、チオケトン体またはセレノケトン体を、4,5-bis(methoxycarbonyl)-1,3-dithiole-2-oneまたは、-thioneと、亜リン酸トリエチル中またはトルエン-亜リン酸トリエチル中で、クロスカップリングさせることにより、methoxycarbonyl基を2個有するTTF,DSeDTF誘導体を合成した。この方法では、出発物の組み合わせ(ケトン、チオケトン、セレノケトン)や反応条件等を変えても、目的の収率が極めて低い場合があった。新しいルートでの合成法を検討中であるが、現在のところ見つかっていない。 (2)次に、これらのTTF,DSeDTF誘導体の2個のmethoxycarbonyl基の内、一方をHに置換し、他方をhydroxymethyl基へと還元した。 2.カチオンラジカル塩の作成を、温度、溶媒等の条件を変えて試みた。未だ良質の結晶は得られていないので、今後、条件等をさらに検討していく。
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