調査は、最大4名の調査補助員の協力のもとに、5月24日から6月9日のうち15日間、ヤマモモ集中域3プロット内におけるヤマモモの果実数の推定、及びサルの直接観察によるその消費量推定を同時平行的に行った。 調査開始前日の5月23日には、最も果実の成熟が進んだ個体であっても、中熟果実が10%程度占めるだけで完熟果実は皆無で、調査半ばの5月31日においても、中熟果実が30%を示す個体がでてくる程度で、相変わらず完熟果実は数%に過ぎなかった。しかし、6月に入りようやく果実の成熟が進み、調査期間終了後の6月9日には、やはり最も成熟の進んだ個体では、中熟17%、完熟64%という値を示した。他方、サルの利用については、5月24日及び25日は、すべてのプロットを群れが訪問したものの、ヤマモモの利用はみられなかったが、26日になってプロットのひとつで初めて2本のヤマモモで延べ10頭・分の採食が見られたのを機に、31日までに3プロット合わせて2群17回の訪問を受け、延べ525頭・分の採食がみられた。さらに、その後6月9日までの間には、3群28回の訪問で、延べ790頭・分の採食が行われた。このように、ヤマモモ果実の成熟に伴い、サルの利用も増えていった。 今後分析を進め、下表に示したヤマモモ果実の栄養分析の結果と合わせて、群れごとにサル1個体当たりの果実消費量、カロリー及び蛋白質摂取量を推定し、本研究の目的である採食量に及ぼす群れサイズの影響についての考察を行っていきたい。 【table】
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