現在までの組合わせ最適化問題の解法に関する研究においては、その速やかさが最も重要視されてきた。しかし、研究の充実と近年の計算機環境の進展に伴い、巨大な問題を扱うための記憶容量の問題がクローズアップされつつある。数え上げ手法を用いる際には特に、この記憶容量が問題となるという点で、現在までの研究では十分明らかにされていない点が数多く存在している。そのため、理論的、実験的な研究が必要とされる問題が多く残されている。 本研究において、Chinese Postman Problemに対するK-bestアプローチを用いた解法を開発した。また可能解の列挙解法においては、二部グラフ上のマッチングの高速列挙解法の構築に成功した。この解法の特徴は、記憶容量をほとんど必要としない点である。今後この解法を用いた、グラフ辺彩色問題の列挙解法の開発を予定している。
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