(1)インバータ動作に伴い生じる電流波形の調査 高速スイッチングが可能なIGBTを用いて電流制御形インバータを作成し、スイッチング時に生じる電流波形の周波数の上限は0.6MHz程度であることを確かめた。 (2)電界測定システムの作成 社会的な要求を考えると、将来さらに高速スイッチングが可能な半導体が開発され、これに伴ってインバータの生じる電流波形に含まれる周波数の上限が高周波領域に拡大されることが考えられるため、数kHz〜10MHzの周波数帯域をもち、2方向の電界が同時に測定可能な電界センサを作成した。センサの形状は直方体で、各辺の長さは十数cm程度である。 (3)インバータ動作時に生じる電界の模擬実験 インバータが動作する空間は、周囲に物体が存在し測定上の複雑さが増すため、周囲に大地以外の物体がほとんど存在しない屋外において電界の測定を行った。インバータ動作時に生じる電流は、10MNz程度までの高周波波成分が含まれていた。また、周囲に存在する物体の導電率が電界に及ぼす影響を明らかにするために、大地が乾燥状態にある場合と、十分に水を含んでいる場合について電界測定を行い、測定結果を比較することにより、周囲の物体の導電率により物体に平行な方向の電界が大きく影響を受け、垂直な方向の電界はほとんど影響を受けないことを明らかにした。さらに、任意の電流波形により生じる電界の計算が可能な電界解析プログラムを作成し、実験結果と比較することにより、この解析プログラムによる電界計算結果が妥当なものであることを確かめた。 (4)今後の計画 インバータ動作時に生じる磁界についても同様の検討を行う予定である。
|