1.従来、衛生放送受信用にKu帯(12GHz)での開発を行っていた直線偏波ラジアルラインスロットアンテナを、Ka帯(22GHz)で動作するように設計し、試作・実験を行った結果、12GHzの場合とほぼ等しい約50従来のアンテナに比べて非常に高く、この周波数でも十分に実用になることが明らかになった。 2.一般には雨よけとして用いられているレドームを積極的に利用し、スロットにおける反射波とレドームにおける反射波の干渉により、直線偏波ラジアルラインスロットアンテナで大きな問題となっているアンテナの反射特性を改善する方法について理論的に検討を行った。 (1)周期構造導波路に誘電体が挿入された解析モデルを提案司境界値問題をモーメント法により定式化した。 (2)レドームの誘電率・厚さ・位置を変化させてスロットの反射係数を計算した。その結果、レドーム厚さが1/4波長の時に反射係数に与える影響が最大となり、レドーム距離を半波長の整数倍だけ離したときに反射係数が最小となることを明らかにした。 3.直線偏波ラジアルラインスロットアンテナの遠方放射指向性や利得周波数特性を電波無響室内で実験的に評価することを目指して、球面走査近傍界測定装置の実現を試みた。制御系の位置決め精度が不十分なため、目的の測定装置は実現できなかったが、フレネル領域で半球面内の指向性を測定するシステムが実現された。
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