本研究計画は、1.伝達函数行列のアプローチによるロバスト的非干渉制御問題の研究、2.幾何学的アプローチによるロバスト的非干渉制御問題の研究の2つに大別されていた。各研究成果に関して、以下にそれぞれ述べる。 1.伝達函数行列のアプローチのよるロバスト的非干渉制御問題の研究 本研究は与えられた行列の条件を用いて、問題の定式化と可解条件を与えることを目的とした。その結果、問題の定式化が行われた。ただし、可解条件を得るまでには至らなかった。今後の研究課題の予定である。 幾何学的アプローチによるロバスト的非干渉制御問題の研究 本研究は次の2つのことを目的とした。 (1)新しい不変部分空間の概念を導入し、その性質について調べること。 (2)上記問題の定式化と可解条件を与えること。 その結果、(1)に対しては、同時可制御性部分空間の概念を導入しその性質を調べた。(2)に対しては、システムの族に対する状態フィードバックを用いた同時非干渉制御問題を定式化し、その可解条件を与えた。これらの研究成果は、システム制御情報学会研究発表講演会にて発表した。今後、学会論文誌に投稿する予定である。今後は、ロバスト的非干渉制御問題に発展させてゆく予定である。
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