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1993 年度 実績報告書

地震動による雲仙眉山の崩壊構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05750459
研究機関山口大学

研究代表者

麻生 稔彦  山口大学, 工学部, 助手 (30231921)

キーワード地震応答解析 / 動的問題 / 山体崩壊 / 有限要素法
研究概要

眉山の崩壊メカニズム
1792年の大崩壊時の記録より崩壊前の山林型状を推定し、FEMにより地震応答解析を行った。入力地震波は1次の固有振動数である0.2Hzの正弦波を用い、動的解析と自重による静的解析とにより応力を算定した。その結果、破壊強度を越える応力要素は現在の崩壊面と一致せず、現在の崩壊形状を得るためには3段階の崩壊を考えなければならなかった。したがって、前回の眉山の崩壊は3回の崩壊が複合しできたものと推測される。
今後の崩壊予想
前回と同程度の崩壊が発生すると仮定し、最も崩壊し易くまた島原市に大きな損害を与えると推定される箇所を航空写真および地形図より設定し、応答解析を行った。この解析モデルを固有値解析し観測された地震波形より得られた卓越周波数と比較したところ両者はよく一致しおり、解析に用いる物性値が妥当なものであると考えられる。また、各次数の刺激係数および20次までの各固有振動数の正弦波を入力して、応答変位、応答加速度を比較したところ、1次振動の応答値が非常に大きいことが明らかとなった。以上より応答解析では1次の固有振動数である0.236Hzの正弦波を最大加速度200galで入力し、応答を求めた。崩壊メカニズムと同様の検討を行い3回の崩壊を求めたところ、この箇所での流出土砂量は28×10^7m^3であり、1792年に流出したと推定される土砂量の約80%程度となった。
以上、本研究により眉山の基礎的な崩壊メカニズムおよび次回の崩壊が予測できた。しかし、眉山のような大規模な土構造物の解析を行うにはその物性量、減衰、地下水位および入力地震波など考慮しなければならないファクターが数多くあり、その解析は複雑なものとなる。したがって、今回の結果をもとに今後解析を深める必要があろう。

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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