• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

キトサン-液晶ハイブリッドマイクロカプセルの合成と薬剤の膜透過制御特性

研究課題

研究課題/領域番号 05750692
研究機関佐賀大学

研究代表者

吉塚 和治  佐賀大学, 理工学部, 助教授 (70191567)

キーワード薬剤徐放システム / マイクロカプセル / 温度センサー / キトサン / 液晶 / 抗癌剤
研究概要

本研究では、バイオ新素材である海老や蟹の外殻成分であるキチンを脱アセチル化して得られるバイオ新素材であるキトサンと液晶性物質をハイブリッド化(ポリイオンコンプレックス化)することにより温度センサー機能を有する薬剤徐放性マイクロカプセルを合成した。さらにカプセルに内包させた抗癌剤の徐放透過実験を行い、薬剤の透過速度、透過量と外界温度との関係を明らかにした。具体的には次に挙げるような方法で行った。
1.キトサン-液晶ハイブリッドマイクロカプセルの合成
キトサンの製膜法は、キトサンと内包する抗癌剤の希塩酸水溶液をトルエン中に超音波分散させながら、架橋剤であるグルタルアルデヒドを滴下し、マイクロカプセルを合成した。後に、このマイクロカプセルを液晶のエタノール溶液中に分散させ、ポリイオンコンプレックス型マイクロカプセルを合成した。液晶物質としては、人口脂質であるビスオレイルスルホコハク酸ナトリウムおよびビスオレイルリン酸を用いた。また、内包する薬剤としては、泌尿器系腫瘍に対する抗癌剤であるシスプラチン{塩化白金(II,IV)アンミン}類を用いた。
2.マイクロカプセル中からの薬剤の透過制御放出実験
容積100ml程度のガラス製の攪拌槽を自作して、薬剤の透過速度および透過量に対する温度およびキトサンとハイブリッド化させた液晶物質の影響について調べた。実験は、pH調整したリンゲル生理食塩水中へ、1.で合成したマイクロカプセルを所定量入れ、マグネチックスターラを用いて槽内を攪拌した。水溶液中へ透過してきたシスプラチンの濃度変化は、時間毎に水溶液をサンプリングし、原子吸光々度計で白金イオン濃度を分析して求めた。なお、この装置は所定の温度に保った恒温相中に漬けて温度を一定に保った。この徐放実験より、抗癌剤の移動速度が急激に変化する温度が観察された。このクニック温度は、液晶の相転移温度にほぼ一致する結果が得られた。現在、人間の体温付近に相転移温度を有する液晶物質の探索を続行している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Yoshizuka,K.Inoue: "Controlled-Release Behavior of Biological Active Agents with Liquid Crystal-Chitosan Hybrid Membrane" Proceeding of International Conference,of Membrane and Membrane Processes,1993. 2. 255-256 (1993)

  • [文献書誌] 吉塚和治・川崎英雄・井上勝利: "液晶-キトサンイオンコンプレックス膜によるシスプラチンの膜透過挙動" 化学工学シンポジウムシリーズ「膜工学の新しい挑戦-1993」. 1(印刷中). (1994)

URL: 

公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi