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1993 年度 実績報告書

イネ種子アリューロン細胞を用いた細胞特異的cDNAライブラリーの構築

研究課題

研究課題/領域番号 05760079
研究機関京都府立大学

研究代表者

増村 威宏  京都府立大学, 農学部, 助手 (50254321)

キーワードrice / oryza sativa L. / aleurone layer / cDNA library / glutaredoxin / thioltransferase / seed development / tissue specific expression
研究概要

水稲「日本晴」の登熟期種子三分の一粒を実体顕微鏡下で解体し、アリューロン層とデンプン性胚乳組織に分離した。それぞれの組織より細胞を回収し、全RNAを単離し、oligo(dT)の結合した粒子を用いて微量mRNAを精製した。mRNAよりoligo(dT) primerを用いてcDNAを合成し、末端にdG-tailを付加した後、制限酵素切断部位を末端に導入可能にデザインしたoligo(dT),oligo(dC)・primerを使用し、PCR法によってcDNAを増幅した。cDNAの末端を処理し、アダプターを連結し、大腸菌plasmidに組み込み、形質転換し、cDNAライブラリーを構築した。およそ1,000個の細胞から100万のcDNAクローンを含むライブラリーを作製できた。そのうち、アリューロン細胞特異的cDNAライブラリーより300bp以上の挿入配列を持つクローンをランダムに13クローン選び、ノーザンブロット法によってアリューロン細胞特異的に発現するクローンを選択し、塩基配列決定を行ったところ6種のクローンに分類できた。データバンクによるホモロジー検索の結果、その中の1つのクローン(RASC8)の推定アミノ酸配列が、大腸菌、酵母、ウシ、ブタ等で既に報告されている酸化還元酵素Glutaredoxinと非常に高い相同性を示した。このcDNAを大腸菌で発現させ酵素活性を測定したところ、Glutaredoxinであることが確認できた。Glutaredoxinが植物においても存在することを初めて示すことが出来た。イネGlutaredoxinは、登熟過程種子のアリューロン層に特異的に発現しており、デンプン性胚乳組織、葉および根では発現していない。このことからアリューロン組織に特異的な機能を持つ可能性がある。また、それ以外にライブラリー中での存在割合の高いcDNAもクローン化出来た。ここで構築した組織特異的cDNAライブラリーを用いることにより、本研究課題で目的としていた組織特異的に発現する遺伝子の単離、解析を非常に効率良く行えることが判った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 水口 和信 他4名: "Cloning and sequence analysis of a cDNA encoding rice glutaredoxin" FEBS Letters. 337. 157-160 19GA02:田中 國介 他2名 (1994)

  • [文献書誌] "イネ(日本晴)ゲノムP1ライブラリーの構築" 京都府立大学学術報告. 45. 26-33 (1993)

  • [文献書誌] 坂本 敦 他7名: "cDNA cloning and expression of the plastidic copper/zinc-superoxide dismutase from spinach (spinacia oleracea L.)leaves" Plant Cell Physiology. 34. 965-968 (1993)

  • [文献書誌] 増村 威宏 他1名: "イネ種子貯蔵タンパク質の生合成と集積" 日本醸造協会誌. 88. 414-420 (1993)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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