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1994 年度 実績報告書

魚類の性の可塑性に関する内分泌学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05760147
研究機関東京大学

研究代表者

小林 牧人  東京大学, 農学部, 助手 (30183809)

キーワード性行動 / 生殖腺刺激ホルモン / 魚類 / ステロイドホルモン
研究概要

申請者はこれまでにキンギョにおいて雌雄に特異的な(1)性行動および(2)生殖腺刺激ホルモン(GTH)分泌パターンを明らかにしてきた。本研究では、雌にキンギョの主要な雄性ホルモンである11-ケトテストステロンを投与し、雄の性質が誘起されるか、またその場合、雌本来の性質が維持されるかどうか調べ、性的可塑性について検討した。
1. 雌に11-ケトテストステロンを投与することにより、雄の性行動が誘起された。またこの雄の性行動の誘起された雌は、その後の雌の性行動を正常に行なうことが明らかとなった。
2. 雄では排卵雌からのフェロモンによりGTHの大量分泌(GTHサージ)が起こるが、通常雌は排卵雌からのフェロモンには反応しない。しかし11-ケトテストステロンを投与することにより、雌がこのフェロモンに反応し、雄型のGTHサージを示すようになった。またこの11-ケトテストステロンを投与された雌は、成熟・排卵が可能であり、雌本来のGTH分泌パターンである雌型の排卵GTHサージを示した。
以上の結果より、キンギョの雌では、一度雌として成熟した後でも、雄性ホルモンにより、雄の性質の発現が可能であること、またその場合雌としての性質は失われず、維持されることが明らかとなった。これらの結果は、性転換しないキンギョにおいても、性転換魚同様、性の可塑性を持っていることを示唆する。

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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