植物生産環境制御ソフトウェア開発の労力軽減を図り、生産者の意図した制御方法を容易にコンピュータに入力できるようにするために、オブジェクト指向プログラミング言語を用い、GUI環境での環境制御システム構築を行った。その結果、環境制御システムの構成要素をオブジェクトクラスに分割してプログラミングすることによって、環境制御システムの要素を部品化でき、その改良・カスタム化に際してのソフトウェア開発労力を50%以下に軽減できることが示された。また、対話的にユーザーインターフェースを設計でき、また、アイコン(絵文字)等の図形を利用できるようになったことで、従来のシステムと比較して、より操作しやすい環境制御システムを構築できたと考える。 加えて、環境制御システムをLANに接続して植物生産施設の環境制御データとのゲートウェイ機能を持たせ、さらに、LAN経由でインターネットに接続した。LAN用に規格化されている通信制御ソフトウェアを使用することで、ほとんど全ての機種のパソコン、ワークステーションを使って、環境制御システムの遠隔操作や環境計測データの収集が可能になった。また、インターネットを通じて、全世界から環境制御システムへのアクセスが可能であった。 今後は、通信とGUI環境における植物の成育状態などの静止画像及び動画像データの利用方法、および、環境制御方法に関する共通的な操作規約(プロトコル)の作成が必要であると考える。
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