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1993 年度 実績報告書

ヒトFcgammaレセプターIIと細胞骨格分子との会合とその意義に関する研究-FcgammaレセプターIIと会合するGTP結合蛋白質、p55、はチューブリンか-

研究課題

研究課題/領域番号 05770233
研究機関熊本大学

研究代表者

坂田 敦子  熊本大学, 医学部, 助手 (70167849)

キーワードFcgammaレセプター / 会合蛋白質 / チューブリン / GTP結合蛋白質
研究概要

我々は、ヒトFcgammaRIIと会合する分子量55kDaのGTP結合蛋白質(p55)を見い出している。FcgammaRIIが1%Gジギトニンでは可溶化されににくい事、細胞骨格分子の1つであるチューブリンが分子量p55とp53二量体で、GTP結合能をもつ事から、FcgammaRII会合p55はチューブリンではないかと考え、p55の性状およびチューブリンとの同定、検索を行い、次のような結果を得た。
1.p55のGTP結合蛋白質としての性状 ヒト単芽球腫瘍株、U937を種々の可溶化剤で可溶化後、抗ヒトFcgammaRIIモノクロナール抗体(IV・3,Fabgamma)を結合させたビーズを用いて免疫沈降を行い、沈降物中のGTP結合蛋白質をalpha[-^<32>P]GTP結合により検出した。FcgammaRIIと共沈するp55のalpha[-^<32>PGTP結合は1〜5muMのcold GTPで阻害され、他のNTP(ATP,UTP)では阻害されずGTP特異的であった。またp55はコレラ毒素、百日咳毒素ではリボシル化されず、細胞膜分画に存在し、0.5%CHAPS中でFcgammaRIIと共沈するが、0.5%のNP-40,TX100存在下では解離した。
2.p55とチューブリンの同定 p55が細胞膜に存在するのに対し、チューブリンはその大部分が可溶性画分に存在していた。alpha-チューブリン抗体を用いた免疫沈降物のalpha[-^<32>P]GTP結合は分子量55万と18〜20万付近にみられ後者は強いGTP結合能を有していた。一方FcgammaRII沈降物中には低分子のGTP結合蛋白質は認められなかった。
また、抗チューブリン抗体によるイムノブロットでは、FcgammaRII免疫沈降物中にチューブリンは検出されなかった。
3.p55のチロシンキナーゼ感受性の検討 チューブリンはpp60^<src>チロシンキナーゼによりリン酸化される事が知られている。そこでFcgammaRII刺激後細胞を可溶化し、抗ホスホチロシン抗体によるイムノブロットでチロシンリン酸化蛋白質の検出を行ったが、p55のチロシンリン酸化はみられなかった。
以上の結果より、FcgammaRIIと会合するp55はチューブリンとは異なる分子であろうと推察された。さらにp55の同定ならびにFcgammaRIIシグナル伝達における役割について検討を加える予定である。

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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